【保護猫里親さんインタビュー】ねえ幸せ?ってしょっちゅう聞いてしまいます
里親さんのお名前:佐藤 麻子さん
住んでいる地域:神奈川県茅ヶ崎市
家族構成:ひとり暮らし+猫1匹
飼っている保護動物:黒猫のメス(2011年7月生まれ)
ー里親になったきっかけはなんですか?
友人がシェアしていたFacebookの投稿を見たのがきっかけです。
友人の友人が子猫(黒猫)とメスの成猫(白猫)の2匹を保護していて、里親募集をしていたんです。
捨てられた子猫を拾った方が交番に届け、交番から一時引き取りでその方が預かっていたみたいです。
ー猫を引き取る上で、なにか問題になることはありましたか?
猫は子どもの頃からずっと飼ってきていたので、面倒を見る自信はありましたが、先住猫のキジトラ兄弟猫(オス)が2匹いたので、引き取れるかどうかは、彼らとの相性次第だと思っていました。
一時引き取りの方に「子猫がメスの成猫に懐いているので、一緒に引き取ってもらえないか?」と言われ、二匹とも自宅に連れ帰ったのですが、母性全開の白猫が子猫を守ろうと先住猫たちに猛攻撃を仕掛け、大興奮状態。
先住猫たちはえらいもので一切手を出さず、やられっぱなしでしたが、部屋中に毛が舞い飛んで、凄まじい修羅場でした。
白猫の母性に感心しつつも、この状態で引き取るのは難しいと判断し、白猫は翌日事情を話してお返ししました。
ー白猫は母猫ではなかったんですよね?
はい、違います。別々に引き取られた猫たちです。一緒に暮らすうちに白猫が母性に目覚めたようです。
ーそのほかに、動物を飼う上で苦労してきたことはありますか?
猫は散歩に連れて行かなくていいので、犬よりはお世話が楽だと思うのですが、、、病院に連れて行くのが一苦労ですね。毎回、キャリーバッグに入れるまでが戦いで、死闘を繰り広げています。上手く行かず諦めることもしょっちゅうです。
あとは、同じようにしつけても個体差があって、キジトラ兄弟は壁で爪とぎをすることはなかったのですが、黒猫はどれだけ爪とぎを置いても壁でガリガリやってしまいます。部屋の退去時にかかる壁の修繕費は、だいたい毎回7万くらいですね。かなり痛い出費です。
あと、賃貸だと当然ながら部屋の選択肢も狭まります。犬可よりも猫可物件を探す方がはるかに大変です。
私がこれまで住んできたのは、家賃の高い設備の整ったペット共生住宅か、古い家のどちらか。
いまの部屋も犬猫可物件ですが、築年数50年です。
とくに猫は爪とぎをするから嫌がられるんでしょうね。ええ、しますけどね笑
ー動物を飼う上で悲しいと感じることはなんですか?
私が里親として引き取ってきた子たちは、幸いにしてみんな丈夫な子たちばかりなのですが、たまに具合悪そうにしているのを見ると辛いですね。
なにも言わずただじっと静かに耐えている様子を見るのは辛いですし、私自身、ものすごく動揺しながら、最悪のパターンも想定しながら、病院に連れて行きます。
ーペットの最後を看取ったことはありますか?
何度もあります。先住猫のキジトラは老衰で亡くなりましたが、亡骸は専門業者さんに依頼して焼いてもらい、粉骨を茅ヶ崎の海にまいてもらいました。
ー動物を飼う上で心がけていることはなんですか?
子どもの頃から家には常に動物がいましたが、犬や猫はすべてもらってきたり拾ってきたりしていました。
私が最初に猫を拾ってきたのは幼稚園の頃で、幼稚園の黄色いカバンの中に子猫を入れて、連れて帰ってきたそうです。
大の動物好きの両親でしたが「動物はペットショップで買うものではない」という考えだったので、私も自然にそう考えるようになった気がします。
実家を出てひとり暮らしを始めてからも、ずっと猫と暮らしてきましたが、すべて頼まれて引き取った猫でした。
「動物を飼う」というのは、人間の傲慢な行為じゃないかと思ってしまうんですよね。
だから引き取るときも「本当に私が引き取って幸せになれるのか?」をとことん考えます。
毎回、なかなか即決できないのはそのためです。
いま飼っている黒猫は、もう10年近く一緒にいますが、幸せそうに窓際で日向ぼっこをしているのを見ると、いまだに問いかけてしまいます。「幸せ?ねえ、いま幸せ?」と。
私に引き取られて良かったと思っていてほしい。
猫なので機嫌よくゴロゴロ喉を鳴らしてくれますが、これが猫じゃなくて人間の子供だったら、彼女にとってさぞかし鬱陶しい母親だろうなーと思います笑
私に育てられて幸せ?と、ことあるごとに聞いてくる母親なんて、相当うざいですよね。猫でよかったです。
ー最後に猫と暮らす上でいちばん嬉しいこと・幸せに感じることを教えてください
猫は本当にずっと寝てるんです。コロナでリモートワークになり、以前より家にいる時間が増えて改めて気づきました。ああ、本当にずっと寝てるんだなって。
うちの黒猫ももう10歳なので、若い時よりも眠る時間が増えているのかもしれません。
いままで飼ってきたすべての猫に共通しているのが「趣味:ひなたぼっこ」なのですが、おひさまを存分に浴びながら、お腹を見せて寝ている姿を見ると、幸せな気持ちになります。
あとは毎晩一緒に寝ているので、たまに外泊したときに猫がそばにいないとホームシックにかかります。モフモフ感が恋しくて。
黒猫は歴代の猫たちの中でも、いちばん世話が焼けますが、いちばん気の合う猫でもあるので、この子が死んだら相当なロスがやってくるだろうな、、、といまから覚悟しつつ、心の底から恐怖です。
保護犬猫に関心のある茅ヶ崎在住ブロガー。わんにゃんマルシェホームページ制作をお手伝い中。