多頭飼育問題 事例1

14匹の猫の面倒を見ていた男性

さて、今回は保健所案件をお手伝いしたときのお話です。

飼い主さん(76歳の男性)から保健所に相談の電話あり。
現在、14匹の猫を世話しているが、近々、入院しなくてはならず、猫たちの今後をどうしたものかと。

これまで多くの捨てられた猫や、外猫を世話してきて、去勢不妊手術も行ってきた。
そんな飼い主さんを頼り、困った人が持ち込んで来た子猫を、去年新たに9匹も引き取ってしまった。

ノラ猫となって地域で数が増えないようにと、自作されたプレハブネコハウスは脱走防止もしっかり。ゴハン皿はちゃんと9匹分あり、トイレも綺麗に管理していて猫たちの見た目も健康そう。

外猫5匹は、暑さ寒さと雨風がしのげるよう、出入り自由の別棟が作られている。
猫たち一匹ずつをちゃんと把握し、親身にお世話していた様子が窺えます。コタツも用意されていました。

入院される前に、ご自分で見つけたシールなのか、可愛いシールで猫柄を合わせたプロフィールを用意してくださいました。

メス猫の不妊手術

14匹のゴハン代だけでも、飼い主さんにとって大きな負担だったと思います。
子猫だった9匹のうち、未手術のメスが2匹。今まで繁殖が無かったのが謎。
とにかく、メス2匹だけでも早急に手術をしたい。でもこの数の中、メスだけ捕獲するのは難しい。
別の日に再度訪問し、ネコハウスの中で捕獲器を使い、入った猫から不妊去勢手術をすることに。

あとは、飼い主さんの退院後にまた相談ということになりました。
入院中は、飼い主さんのネコ友さんに、通いでゴハンとトイレの世話をしてほしいと頼んで行かれました。

飼い主さんの希望は、ご自身がこの先猫たちをいつまでお世話できるかを考え、家猫として受け入れてくれる里親さんを探したいとのこと。
保健所が飼い主さんの代わりに里親募集のチラシを作ってくれました。

見慣れぬ人間の侵入に、警戒マックスの緊張顔の面々。

多頭飼育で人馴れしていない猫たちだから、里親さん希望者を募るのは難しいかもしれないけれど、ひとりずつ見ると、みんな甘えっ子。
そのうち「なでて〜」と寄って来てくれそうな予感の猫たちではありました。

後日談(3年後)

それから3年が経ち、飼い主さんは入退院を繰り返され、猫たちを気にかけながらご逝去されました。

残された猫たちは、人馴れしないまま歳を取り、健康状態が良くない猫も。
里親さんが見つかるまで、かなりの時間を要すため、神奈川県動物愛護センターに収容して里親探しをすることになりました。

きっかけは近所の人に頼まれ、猫を放っておけず保護をして増えてしまった飼い主さん。
結果的に自分一人で世話をすることが困難となり、入退院されているあいだは、ご近所の方が猫の世話に通ってくださり、飼い主さんが亡くなられたこともご近所さんから保健所へ連絡が入りました。

猫たちをまた捕獲することになりましたが、3年前の不妊去勢手術の際、もっと積極的に話し合うべきだったと悔やんでいます。

多頭飼育崩壊も、その状態に至るまでには様々な背景があり、他人事では無いと感じた一件でした。

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