【保護猫コラム】外で生きる猫たちは。
2012年から毎日通っている地域猫の給餌場。もちろん猫たちメンバーの顔ぶれは把握しているので、去年の夏、その新顔猫が居た時の事はよく覚えている。
歳とっている猫だが、体つきは痩せていないので、どこか居場所があったのだろう。
大抵、オスかメスか見た目でわかるのに、この猫はどっちか〜?判断つかず、顔から見ておじいちゃんとした。
痛々しいのは、耳たぶが血だらけ…長年、蚊に刺され続け、肥厚している、モスキートアレルギーか…
外の猫の夏は、一番毛が薄い耳たぶに、何匹もの蚊が一日中ブンブンとまとわりつく。
蚊を追う為に、しょっちゅう頭を振るので耳たぶに血が溜まり、ホウヅキのように膨れる事も。
この猫も、何年夏を繰り返したのか、外に居る限り、痒みとストレスを繰り返し、これ以上、外で歳を取って行くには限界だ。
考えた末、犬猫みなしご救援隊へ終生飼養をお願いする決断をした。
犬猫みなしご救援隊さんは、なかなか治らない怪我をしていたり、ハンディがあって外で生きるのが困難な動物を終生お世話してくださる、他には無い団体さんであり、代表の中谷さんはじめ、環境をより良く清潔にする為、毎日、掃除とお世話に人生を捧げているスタッフの方々の動物愛は半端無い信念と思う。
(終生飼養の申請には、猫の飼育費用とシェルターまでの交通費実費を犬猫みなしご救援隊へお支払いします。また、引き取っていただきたい理由もお伝えします。)
いよいよおじいちゃん猫のお迎えの朝、みなしご救援隊のスタッフさんが、手際良く捕獲器からキャリーへ。
あきらめたような、しょんぼりとした顔を見ると、なんとも罪悪感を感じ、二年悩み考え、一番良い選択をしたはずなのに、人間の自己満足かとも思い、悲しくなった。
それが快適になる為にせよ、環境の変化に弱い猫たちにはかえって苦痛になり、良かれとした事は、猫には余計なお世話だったりする事もある。
昨年、最期まで外で生き、20歳近くで大往生した地域猫のKちゃん。
最期が近くなり、毎日お世話していた大好きな人の家に連れて行かれたものの、カチコチになるばかり。
それならば、好きな場所で自由にした方が良いとした。
しばらくして、毎日、その人を待つゴハン場の硬い地面で亡くなっていた。
最期ぐらい、柔らかく暖かい物に包まれて欲しいと思うのは、私たちが思うことで、地域猫Kちゃんは、いつもの空気や匂いを感じながら逝った。
そうする事しか出来ない、生まれながらの環境に居るしか出来ない猫を無くしたい。
猫には安全な窓辺で、日がな日向ぼっこをしてウトウトしていて貰いたい。
おじいちゃん猫は到着したら、しばらくケージで治療などしてから団体生活になります。
新しい場所で戸惑うけれど、もう、鬱陶しく痒い蚊や、暑さ寒さに耐える事なく、余生をのんびりと過ごし、安全に猫生を全うして欲しい。
わんにゃんマルシェ実行委員
保護猫ボランティア団体 「キャットセカンドライフ赤い毛糸」代表
神奈川県動物愛護推進員/愛玩動物飼養管理士
神奈川県動物愛護センター 登録ボランティア(譲渡)/キャットシッター(動物取扱業第190216号)