【獣医師コラム】犬猫さんへの手作り食の取り入れ方

日々、我が家の猫たちに手作り食を実践し、心身ともに穏やかで強くなっていることを感じています。フードを食べているお宅では、まずは総合栄養食を主体に、食材をトッピングした食事がお勧めです。栄養バランスを崩すリスクも少ないです。

こちらの本は、私が非常勤しているクリニックの院長が監修を務めたもので、とても参考になりますよ。

トッピングごはん基礎BOOK 実践BOOK

猫のトッピングごはん

今日は、ポンの食事を紹介いたします。

治療中は、味覚が落ちていたようで、食材への反応はすっかりと落ちてしまい、決まったフードしか食べなくなっていました。それでも、食べてくれていただけ、良いですね。体重も落ちることなく、治療を乗り切ることができました。あっぱれ!です。

ドライフードに食材を乗せると、ドライフードが湿ることを嫌う子が多いので、お気に入りのウェットフードに少しずつ、食材をトッピングしていきます。
特に猫さんは食べたことのないものを食べものとみなしてくれないことが多いです。
少しずつ、お腹とお口と相談しながら、進めてみてください。
わんちゃんとは、食材の割り合いが大きく異なるので、ご注意ください。

初日

鶏むね肉を細かく切って、小さじ半分くらいの量です。あげるときには混ぜ込みます。毎日少しずつ、お肉の量を増やしていきます。

5日目頃

お肉の量も増えて、ツナも追加しました。そしてお野菜も小さじ半分くらい。ポンは今までに野菜も食べていたので、にんじんを主体に何種類か混ざっていますが、初めての場合には、野菜も1種類ずつ、確認しながら取り入れましょう。

7日目頃

お肉の量も野菜の量も増えました。食材が増えた分、ウェットフード、ドライフードの量も減らしていきます。

この日は魚が主体。食べる食材の幅も少しずつ、増やしていきます。

10日目頃

かなりフードの量も少なくなり、食材が主体となってきました。野菜のピューレのなかには、お芋も入っています。

お魚主体
ツナと鶏むね肉

このあたりから、ほぼ、完全手作り食です。栄養のバランスをとるために、カルシウム、鉄、亜鉛などの補給が必要になります。鉄、亜鉛の補給にはレバーなどを取り入れる必要があります。お野菜とごはんも一緒に煮てあります。

猫は肉食動物なので、動物性たんぱく質の割合が多くなります。犬は雑食よりなので、もっと野菜やごはんの割合が多くなります。完全手作り食を毎日続けるには、当然、栄養バランスを考える必要があり、いきなりはハードルが高いかもしれないですね。

まずは先ほど、紹介したトッピングBOOKを参考にフード主体で食材のトッピングがお勧めです。ゆとりのある日に完全手作り食にトライするのも、良いですね。食は毎日のことなので、無理のないように取り入れていただきたく思います。