動物たちのためにできることをお伝えしていきたいです

獣医師 古山範子
中山動物病院(茅ヶ崎市)非常勤
わんにゃんマルシェ実行委員
獣医保健ソーシャルワーク協会幹事
保護猫団体 Chigasaki Cat’s Protect 副代表
Aroma Space Nico ペットのためのホリスティックケア講座 講師
メールマガジン「獣医が勧める犬猫さんの養生法 5Days講座」発行
https://resast.jp/subscribe/93913

ー動物愛護に興味を持ったきっかけはなんですか?

古山 獣医師として勤務医をしていた10年くらい前に体調を崩し、1年ほど休職しました。その後、体力が戻らない中でも何かできることはないかと模索していたところ、立ち上げから半年ほどの保護猫団体「Chigasaki Cats Protect(以下CCP)」の存在を知り、手伝いを申し出たのがきっかけです。

ー保護猫団体ではどのような活動をされていますか?

古山 保護された高齢猫の預かりから看取り、病院などへの搬送、卒業猫の報告ブログ記事執筆、CCPで定期的に開催している譲渡会の手伝いなどを仕事の合間に行っています。
それ以外にもCCPのホームページに寄せられるお問い合わせやご相談に獣医師としてお答えしています。

ーわんにゃんマルシェに関わり始めたきっかけを教えてください

古山 第1回目の会場となったカフェキュアさんで古知屋さんと知り合い、一緒にやりませんかと声をかけてもらったのがきっかけです。
神奈川県動物保護センター(現在の神奈川動物愛護センター)への寄付を継続的に行いたいという思いに賛同して一緒に活動を始めました。

ーコロナ禍で保護犬猫を取り巻く環境は変化しましたか?

古山 コロナになってからお問い合わせも猫を飼う方も増え、猫の譲渡会への関心も高まっています。
ただ、子猫を欲しがる方が多いのに対し、ある程度大きくなってからでないと里子に出すのが難しかったり、里親さんとの条件が合わない場合も多いです。
CCPでは自活できない野良猫を保護しているので、子猫と高齢猫が多いのですが、高齢猫はなかなか里親さんが見つからないのが現状です。
子猫の預かりさんも、子猫を育てた経験のある方でないとお願いできないので、市内の預かりさんのお宅も飽和状態になっています。

ー現状も踏まえて、わんにゃんマルシェとしてこれからやっていきたいことはなんですか?

古山 それぞれの保護団体さん単体では、周知や活動が広まらないことも多いので、わんにゃんマルシェがハブとなり、保護犬猫に関する情報を広く発信して、各団体さんの力になれればと考えています。

ー多くの方に一番知ってもらいたいことはなんですか?

古山 動物を飼うという決断をするときに、目の前のことだけじゃなく今後のこと、少し先の未来、万が一、何かの事情で動物を飼えなくなった非常時のことまで考えて決めてほしいです。動物を飼うこと以外に、動物たちのために出来ること、小さなことで一人でも始められること、自分なりにできることは何だろう?と考えてみることも動物愛護です。
まだまだ多くの方に情報が届いておらず、どんな選択肢があるかご存知ない方もいらっしゃるので、みなさんが考えるきっかけとなる情報を提供していきます。

ー獣医師として今後取り組んでいきたいのはどんなことですか?

古山 災害時にどこのお宅でどんな動物を飼っているのか?が一目でわかるようなマップを作れたらいいなと思い、自治会等に提案しています。
被災したときに飼っている動物をどうすればいいのか?
同行避難の課題とともに、人も動物も無事に助かる術を考えていきたいです。